書籍スキャンシリーズ13.トラブル編③ 精神的につらかったこと

皆様、お疲れ様でございます、あなたの街の文系男子、トム・ヤムクンでございます。

書籍スキャンシリーズもなんと13回めを迎えております。

今日は、僕が何百冊もの書籍をスキャンし続けた際に陥った、メンタル上の症状に関してお伝えしたいと思います。

とにかく疲労する
同じ作業を延々と繰り返す
この書籍スキャン計画の何が辛いかというと、とにかく同じ作業をずっとやり続けなくてはいけない、ということです。

以前も何回か書きましたが、僕は500冊程度の本を持っていました。これが何十冊のレベルであれば、「連休をまるまる使えばぜんぶ終わるかも」という感じでしょうが、僕の場合はこの500冊ほどを平日の3時間ていどを使って半年以上やり続けていました。

そのため、それだけ精神的な疲労も激しかったのです。

本の内容がちらちら目に入る
また、当然ながら本の内容も目にすることになります。ページを1枚めくってはスキャナにセットし、また次の1枚をセットし、という感じですし、裏面しか読めませんので詳細なストーリーを追うことはできません。

ただ、そこは多くが1度読んだ本ですので、内容を思い出すにはそのくらいの情報量でじゅうぶんなわけです。

持っているのはほとんでフィクションだったので、なおさらそれぞれの作品の世界観とか、重めのエピソードとかの印象がじわじわと頭に残ってくるわけです。

普通の読書とはまた違った本の体験の仕方なので、なかなか複雑な感じでした。

 

昔の思い出が蘇る
本を目にすると、それを読んでいたころの思い出がちらほら蘇るというのもハードルのひとつ。

何年も前に読んだきりの本、というのも多いですし、そもそも半分ほどは中高~大学生のころに買っていたものですので、思い出に浸りがちな状況ができあがっています。

楽しい思い出もありますが、それもそれで酩酊感をもたらし、そのあとに楽しくない思い出さんに蘇っていただくとキツいものがあります。

 

 

ネガティブになりがち
誰も褒めてくれない

それでなくても単純作業ですし、「いつも1日5冊しかスキャンできないのに今日は7冊スキャンできた」みたいな日があったところで、誰が褒めてくれるわけでもありません。あとに残るのは疲労だけです。

息子(2歳)にそのことを自慢しても「だぁ」とか言われるだけです。

かくして、作業をすればするほど暗い気分になっていくのです。

 

終わるのか?
一時期は「そもそもこの量の本をこのゆったりペースでスキャンして、いつ終わるのか、本当に終わりが訪れるのか」という疑念が頭のなかを駆け巡っていました。

1日にスキャンできる冊数は、コミックなら5冊(全体の約1%)、ハードカバーの小説なら3冊(全体の約0.6%)ですので、1日単位ではぜんぜん減っているように見えないわけです。

するとモチベーションは上がりません。本の海に溺れるだけです。

 

そもそも意味あるのか?
「そもそもこれだけの時間と労力をかけて本をスキャンしたところで意味があるのか?」ということも、よく頭をよぎったネガティブな考えのひとつです。

確認しておきますが、僕が手持ちの本をスキャンしているのは「持ち物を減らして収納スペースを節約し、そのぶん、狭い部屋に引っ越して家賃を節約するため」です。

もし月々の家賃がいまの部屋より1万円安い部屋に引っ越すことができたら、それだけで大きな家計の助けになるのですが(持ち物を減らすメリットはそのほかにも多く存在するのでしょうが)、そんな計画さえもこの圧倒的な作業量の前ではなにか現実感のない幻のようにしか感じられません。

 

悟りを開きがち
生まれてからずっとスキャンしていた気がする
上記のような精神衛生上の悪条件が重なり、僕はいつしかこう考えるようになりました。

僕はスキャンするためにこの世に生まれてきたのではないか?

いや、生まれてからずっとこの作業をこの場所でやっていたような気がする。

そもそもこうしてずっとスキャンをしている僕は、もはやスキャナの一部なのではないだろうか? 

ひょっとして「自分が人間である」というこの自覚さえも幻想で、僕の人間としての記憶はスキャナが人間をうらやむあまりに見てしまった幻想なのではないだろうか?

いやだ。僕は人間だ。人間だ。ニンゲ…… しゅごおおお、しゅごおおお(紙を吸い込む音)…

※薬は花粉症のやつ以外はキメてません

 

ポジティブでいるために
なるべく本の内容は見ない
すみません、上記の後半はちょっと盛りました。あそこまでヤバくはなってません。

しかし、精神的にけっこうな疲労がくるのは確かです。

まずひとつの対策として、僕は「なるべく本の内容は見ない」というのを実践していました。もちろん手元で本のページを次から次へと裁断してはスキャナに吸い込ませていくわけなので、見ざるをえないのですが、なるべく文面を読まないように意識していました。

これによって、前述の「本の内容に酔ってしまう」という状態を防いでいたのです。

 

時間を決めてやる
1日にやる時間をきっちり決めて、「時間がきたら(余力があっても)終わり」にしていたのもポイントです。

きちんと決められたルーティーンの一部としてこのスキャン作業をおこなうことで、いたずらに心を持っていかれることを防いでいました。

 

なるべく笑える動画を観続ける
これも以前の記事でお伝えした話なのですが、僕はスキャン中、基本的に動画を見ていました。手はふさがっているものの目・耳・脳は空いていたので。

そんなとき、なるべく明るい内容のものを選んで観るのもポイントです。笑える内容のコンテンツは、ネガティブになりがちな単純作業で強力な武器になってくれます。

 

 

というわけで、大量の本をすべてデータ化する予定のある皆様は、ぜひメンタルヘルスに気をつけながら作業をがんばってください。

 

トム・ヤムクンでございました。

トム・ヤムクン

ライフハックと手帳を駆使して作家を目指している人。得意分野は手帳と日本史。Twitterアカウント:@tomyumkung01 ※このブログはAmazon.co.jpアソシエイトに参加しています。