映画『ペンギン・ハイウェイ』のアオヤマくんはどんなふうにノートを使いこなしているか(2)
老いも若きもこんにちは、トム・ヤムクンです。
「映画好き」を名乗ったとたん、「**監督の@@って作品観てないとか、映画好きに名乗る資格なくない?」みたいなマウンティングされますよね。
さて、前回は映画『ペンギン・ハイウェイ』で主人公のアオヤマくんがどのようにノートを使いこなしているか、ということについてお話ししました。
彼が使っているノートは、おもに以下の2種類です(前回の記事の推測による)。
今回はその続きです。物語の冒頭ではアオヤマくんがこの、2種類のノートを
赤いモレスキンラージ→常に持ち歩いて考えを記したり記録をとる
ツバメノート→カテゴリ(研究)別に分類して記録を残す
ことに使っていることが明らかになったわけですが、いよいよ次のパートから具体的な事件が起きるに及んで、ノートの使い方にもさまざまな面からスポットが当たることになります。
※ちなみに物語の中盤以降も扱いますので、ネタバレを含むと思ってください。
モレスキンラージを持ち歩き用にしている
アオヤマくんがおもに使っているのは赤のモレスキンラージです。前回みたように、アオヤマくんはどのへ行くにもこの赤いモレスキンラージをたずさえ、ツバメノートに関しては基本的に家で書き込みをするのみです。
このように、ツバメノートはあくまでも自室で使うのみですね。ただ、当初は「見解の定まった内容」だけをここに書いて「思考」には使わないと僕は思っていたのですが、上記の表の最後のくだりで「疑問点や考察」なども書き込んでいたのはちょっとした発見でした。
さて、ここで赤いモレスキンラージがその本領を発揮してきます。アオヤマくんは毎日、このノートに天気や気温を記していたのですが、これが謎を解く鍵として機能します。記録が思考を助ける。まさしくノートの正しい使い方ですね。
特徴的な使い方
アオヤマくんの特徴的なノートに対する態度や使い方がどんどんあらわになります。
まず〈海〉の研究によってノーベル賞を受賞する、という妄想を抱く場面ですが、その妄想の中で授賞式の壇上に上がるアオヤマくんの手には、しっかりと赤いモレスキンラージが握られています。ここもやはり、ツバメノートではないんですね。彼が並々ならぬ愛着を抱いているのは、このモレスキンということでしょう。
また、この妄想の描写のなかでノートからはみ出しているフセンの数は、現実のものよりあきらかに増えています。やはり「手帳で仕事をしている感」を出すのにフセンは欠かせない小道具ですからね。
アドバイスを見返しに貼る
もうひとつの特徴的な使い方が、父からのアドバイスを書いたフセンを「見返し(表紙の裏側の部分)」に貼っているということです。
やはり、自分の活動ぜんたいにあてはまるスローガンめいたものや、どう解釈し位置づけていいかわからないけれど重要なもの、というのは、具体的などこかのページではなく、この見返しのように毎回目につく場所に記したほうが良さそうですね。
というわけで、映画『ペンギン・ハイウェイ』物語中盤のノートの使い方について述べてきました。
またまた次回に続きます。