モレスキンとトラベラーズノート、そのロマンの正体

こんにちは、あなたの街の文系男子、トム・ヤムクンです。

僕の中での手帳界の2大巨頭といえば、モレスキンとトラベラーズノートです。このほかにも、いや高橋の手帳こそ最強だとか、ジブン手帳やほぼ日手帳をスルーして手帳を語るんじゃないという声があるのは承知していますが、モレスキンとトラベラーズノートはそのオシャレさと存在感の大きさによって、日本では群を抜く知名度を誇っているのは疑いようがありません。

おおよそ日本で手帳好きを名乗る人で、この2ブランドの名前を知らない人は皆無でしょう(モレスキンは日本発のブランドではありませんが)

今回は、それぞれが背後に持っているロマンに対する、僕の偏見をお話ししていきます。

   

モレスキンはスタバでスケッチ

IT社員が使う

モレスキンを持っている人は、たいていマックブックとアップルウォッチとANAのクレジットカードを持っています。

彼はIT企業の社員もしくはプログラマで、スタバでそれらを使いこなしながら、なにやらプログラミング的なことをしています。

なにやらヒゲまで生やしたりして、周囲の社畜どもに自分の職場のホワイトぶりをアピールしているのです。彼はモレスキンに、あたらしいプログラムのアイディアとか、おしゃれカフェのおしゃれサンドイッチのスケッチとかを書いているのです。

 

モレスキンタワー

「モレスキンタワー」をSNSなどで見たことがある人も多いでしょう。

使い終わった歴代のモレスキンを積み上げ、タワー状にすることです。モレスキンユーザーはたいてい、何年分にもわたって使用済みのモレスキンを保存しています。このタワーを建てるのは全モレスキンユーザーの憧れの的。いかに薄汚れ、シールをベタベタ貼り、フセンや写真やペーパークリップがページの間からはみ出しているか、を競うのです。小口に「2002」とかのスタンプが捺してあれば完璧です。

 

モレスキンは蓄積するツール

モレスキンに対するこのイメージは、この手帳が丈夫な装丁を持ち、何年も蓄積するノートであることが前提となっています。「タワー」は早くからモレスキンを書い始め、それを使いこなし、しかもぶれずに使い続けている、というベテランユーザーたちのマウンティングです。

このモレスキンタワーが高く積める人ほど、ハードなITインダストリーの中で顧客とのエンゲージメントにコミットしてあらたな価値創造をアウトプットできるのです。

   

トラベラーズノートはおしゃれ女子が使う

トラベラーズノートユーザーの主力は女子大生で、そのなかでも毎年、留学に行ってる人ような人です。カラーは断然、キャメルが人気です(まったく調べたわけではなく、偏見と妄想で書いています)。

彼女らは縦に2つのレンズのついた黒いカメラと、色ペンを持ち歩いています。現像した写真をトラベラーズノートに貼り、そこにせっせと旅日記を書いています。

その場所はチェーンのカフェではなく個人経営の老舗の喫茶店で、だいたい彼女らはそこでケーキセットを注文しています。

 

トラベラーズノートのキモは革

このトラベラーズノートの特徴は、中身ではなく革です。革でできた表紙です。

逆に中身は何年もとっておけるほど丈夫なものではありません(その気になれば可能でしょうが)。

 

おしゃれカフェで旅日記

そのため、残すことや蓄積することより、むしろ書くという行為に重点が置かれている気がします。写真やイラストのほか、もちろん旅行先で捺したスタンプも「映え」です。また、おしゃれな外国製チョコの包み紙をきれいにやぶいて貼ったりもします。

彼女らはその旅日記とか、次回のお出かけのときの着こなしアイディアのイラストを書く時間を「手帳タイム」と称し、それを一種の修行とみなして女子力を上げているのです。

 

トラベラーズノートは「書く行為」がポイント

というわけで何が言いたいのかというと、モレスキンは蓄積と保存に重点が置かれているのに対して、トラベラーズノートは書く行為そのものを提供するツールであるということです。

もちろん革の表紙の手触りもその際の重要な要素でしょう。「革の経年変化を楽しむ」とかそのような文脈は、中身の蓄積がしづらいかわりに表紙のほうに自分の歴史のようなものを見出そうとしているせいなのかもしれません。

トム・ヤムクンでした。

トム・ヤムクン

ライフハックと手帳を駆使して作家を目指している人。得意分野は手帳と日本史。Twitterアカウント:@tomyumkung01 ※このブログはAmazon.co.jpアソシエイトに参加しています。