スマホ依存症は幻? というお話
皆さんこんにちは。デジタルネイティブ世代にはぎりぎり該当しないトム・ヤムクンです。
今日は「スマホ依存症」の話をしたいと思います
スマホが登場した頃からスマホ依存症というのは人々の話題にのぼっていますよね。
「スマホばかりやっている高校は良くない」とか、「子供にスマホを与えては脳みそが育たない」なんていう論調はいまだにそこかしこで見られます。
ただ、僕はこの風潮に疑問を呈したいと思います。
まず、「スマホ依存症」というのは、べつに利用者の利用の仕方が悪いとか、若者がだらしないとか、そういうことが原因ではない、ということを指摘しておきたいのです。
本当に依存症になって悩んでいる方もいるでしょうが、まず、「依存」してしまうのは「スマホ」の機能上、仕方のない問題であり、半分は言葉のマジックである、ということをお話しします。
スマホ依存症を生み出した「言葉のマジック」
当たり前の話なんですが、スマホというのは電話、電卓、パソコン、新聞、交通系ICカード、テレビ、ラジオ、雑誌などあらゆるメディアやその他のツールを一緒くたにしたものです。
ここに、「スマホ依存症」が言葉のマジックであるゆえんがあります。
例えば1日に30分ずつ電話、電卓、パソコン新聞、交通系ICカード、テレビ、ラジオ、雑誌を使う人たちがいたとして、その人が依存症だとは誰も言いませんよね(まあ、実際にはSuicaを1日30分もいじっている人はいないでしょうが)。
でもそれがスマホになって1日8時間や9時間使うようになると、「スマホ依存症」認定をされてしまいます。
これっておかしなことだと思いませんか? それぞれ別々のツールだった時は「それぞれのツールを使っていただけだ」とみなされるのに、たまたまひとつのツールになった途端に、その合計時間が長いからといって依存症扱いされてしまうんですよ。
「長い時間使っているだけ」というのであればスマホを持ったとたんに依存症になるのはもう当たり前の話であって、それを病的なものだという扱いをするのはおかしいと思います
「近頃の高校生は電車のなかでスマホばかりやっている。ましてやスーツを着たサラリーマンまでが――」なんていう社会批判に関しては、もう、何を批判したいのか意味不明です。スマホっていうだけでは、動画を見ているのはメールを打っているのか、ネットでなにかを検索しているのか、それさえもわかりません。
「近頃の高校生は電車のなかで脳みそばかり使っている」程度の抽象度の高さで、反省していいのかなんなのか、ちょっと謎です。
「昔、ファミコン。今、スマホ」
さてさて、そもそもスマホが人々の槍玉に上がるのは、もちろん「単に悪者にされる順番が回ってきたからである」という事実も見逃してはいけません。
新しく登場したメディアを人々は常に批判の対象にしてきました。明治時代から「小説なんて読んでる奴は頭が悪くなる」とか言われましたけども、時代が下るにつれて大正時代はラジオ、昭和はテレビや漫画、ファミコン、そして現代ではスマホと、新しいメディアがその時々の(おもに)中年以上の男女から批判の対象にされてきただけなのです。
ただのブームですから、これも気にする必要はありません。
歩きスマホは危険。でもそれはメーカーが悪いのでは……
さて歩きスマホ、という行為も批判の対象になりますよね。
これはさすがに危険な行為ですので反論の余地なく悪いことであると思う人もいるかもしれません。
確かにスマホの画面を見続けながら街を歩いたり、あるいは駅のホームを歩いたりすればそれは危ない。
でもですよ、これって批判されるべきは「歩きスマホをしている人」ではなくて「歩きながら使うと危険なスマホを作っているスマホ会社」の方なんです。
なぜか。
スマートフォンというのはそもそもが、パソコンを開くことができないような場所で気軽に取り出して情報にアクセスできるようにするためのツールです。
であればそもそも「歩きながら使うためのツール」だと言っても差し支えないのではないでしょうか。
いつでもどこでも便利に情報にアクセスできるというその原理を突き詰めていけば、必然的に「歩きながら使える」機能が備わっていなければなりません。
また歩きスマホは確かに危険なものには違いありませんが、であれば「歩き読書」であっても危険さに何ら変わりはないのです。薪を背負って歩きながら本を読んでいた二宮金次郎なんて、今でこそ世の中の教育者達に銅像なんて作られて崇められていますけれども、これはまさしく「歩きスマホ」のハシリですよ。危ないったらありゃしません。
というわけで「歩きながら使えるスマートフォン」というのが出てきて初めてスマートフォンは完成の域に達するのではないかというのが僕の主張です。
何年か前に「Googleグラス」が一般発売されかけましたが、挫折してしまいましたよね。
Googleでなくてもいいので、あれの遺伝子を受け継いだ究極のスマホをどこかの企業に開発してほしいものであります。
歩きスマホが危険と言われないような世の中が早くやってくるといいですね
トム・ヤムクンでした。
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