親子で観たい! 「父と息子」映画

世界の中心からこんにちは、あなたの街の文系男子、トム・トムヤムクンです。
僕は映画を、かなりの有名作品しか観ないミーハーですが、最近、息子が生まれた関係で、あることに気づきました。

それは「父親と息子の葛藤」をテーマにした映画が、この世に腐るほどある、ということです。「母と娘の葛藤」をテーマにした作品はあまり聞かないですけどね。『マンマ・ミーア!』とかでしょうか?

まあ「父と息子の葛藤」というのは、物語の世界では神話の時代から世界中に存在する、非常に普遍的なテーマのひとつですので、映画にもたくさんあって当たり前なのですが。

「母と娘の葛藤の物語がなぜ少ないのか」ということも、物語論的あるいは神話学的に説明がつくのかもしれませんが、僕は寡聞にして知りません。だれかお教えいただければ幸いです。

そんなわけで、息子を持つ父のみなさまにぜひ観ていただきたい、「父と息子映画ベスト3」をご紹介します。

※それぞれの作品のネタバレを含みます。

 

 

 

第3位 スター・ウォーズ エピソード6 ジェダイの帰還(1983年・アメリカ)

 

言わずと知れたスター・ウォーズシリーズ 旧3部作の完結編です。

反乱軍と帝国軍の戦いが佳境を迎える中、ダース・ベイダーこそが自分の父であると知ったルーク・スカイウォーカーは、みずから父の待つデス・スターに潜入します。そこで戦いをやめるよう父を説得するのですが、ダース・ベイダーの師である皇帝・パルパティーンは「ダース・ベイダーに代わってルークを自分の支配の手先として使おう」と企みます。そのため、ルークに「父を殺してダークサイドに身を委ねよ」と迫るのです。

スター・ウォーズシリーズを改めて見直してみると、ダース・ベイダーってそれほどの悪人ともいえない気がしますね。オルデランを破壊したのってターキンじゃなかったですか?(うろ覚え)

自分はアナキン(ダース・ベイダー)にけっこう同情してしまうほうです。必要悪としての権力集中を擁護しているところとか。彼ってパルパティーンと違い、考えていることはまっとうなんですよ。
以前も書きましたが、エピソード9にも非常に期待したいところですね。

 

 

プリンセス・トヨトミ(2009年・日本)

僕が一番好きなテレビドラマである『鹿男あをによし』と同じ、万城目学が原作の作品です。

司法・立法・行政のどこにも属さず、国家予算の不正利用を調査する「会計検査院」の一員である松平は、部下たちとともに大阪での監査をおこないますが、そのなかで「社団法人OJO」という組織が不審な目的に予算を使用していることをかぎつけます。

その組織は実は、大阪じゅうにはりめぐらされたあるネットワークの一部であり、彼らは豊臣家の末裔である「プリンセス」を守るために存在していたのでした。

この社団法人OJO(を隠れ蓑にした「大阪国」という国家)では、豊臣家の末裔の存在を秘密にしながら彼らを守るため、父から子へ、秘密の伝承をおこなうことによって、その命脈を保ってきたのです。それが、ドラマ後半の主眼となります。

個人的には、この「父と息子」というテーマを「秀吉と秀頼」という親子の関係と重ねてもらえるとさらによかったかなと思うのですが、それだと話を広げすぎでしょうか。

 

 

ビッグ・フィッシュ(2003年・アメリカ)

上記でもご紹介した『スター・ウォーズ』シリーズでオビ=ワン・ケノービを演じたユアン・マクレガーが主演した作品です。なんと監督はあのティム・バートン。

ウィル・ブルームの父であるエドワードは、年老いて病にかかっていますが、彼はホラ話(スラングで”big fish”)をするのが大得意。巨大な魚を釣り上げた話や、巨人の友人、下半身がくっついた双子の話などが、美しく華やかな映像によって語られていきます。

そしてエドワードの死に際して、ウィルは彼を受容していくことになります。

同じくティム・バートンの監督した『チャーリとチョコレート工場』もそうですが、「父と息子」を扱ったものか多かれ少なかれ、父親への反発と受容というテーマが描かれることが多いですね。

みなさんも、ぜひ家族でこれらの映画を楽しんでみてください。息子ができたとき、息子が一緒にこれらの映画を観てくれる齢になったとき――それぞれのシーンで、違った魅力を発見できるかもしれません。

トム・ヤムクン

ライフハックと手帳を駆使して作家を目指している人。得意分野は手帳と日本史。Twitterアカウント:@tomyumkung01 ※このブログはAmazon.co.jpアソシエイトに参加しています。