腹がよじれるSFコメディ『銀河ヒッチハイクガイド』

 

皆さんこんにちは、あなたの街の文系男子トム・ヤムクンです
今日は珍しく映画ではなく小説の話をしたいと思います。

僕のお気に入りの小説はいっぱいあるのですが、特にその中でもオススメしたいのが『銀河ヒッチハイクガイド』シリーズです。

 

 

『銀河ヒッチハイクガイド』シリーズとは?

この銀河ヒッチハイクガイドシリーズというのは、イギリス人作家ダグラス・アダムスが書いた一連の小説のシリーズで、その第1作が『銀河ヒッチハイクガイド』

これ自体は20年ほど前に書かれたもので(さらに言えばその1年前のラジオドラマが初出)、スター・ウォーズシリーズ第1作の公開に遅れることわずか2年、とかなり古い作品なのですが、10年ちょっと前に新しい訳が出て日本で再発売されました。

 

 

 

ストーリー

この作品は、イギリス人の冴えないラジオ局員であるアーサー・デント「自分の家がバイパス工事のためにブルドーザに壊されそうになっている」というところから話がスタートします。

「工事は何ヶ月も前から役所に貼り出してあったでしょ」と作業員に説得されるのですが彼は容易に納得しません。

しかしアーサーは実はそんなことを気にしてる場合ではなかったんですね。なんと銀河バイパスの建設のために、ヴォゴン人という宇宙人が地球そのものを破壊しようとしていたんです。

そのことを友人のフォード・プリフェクトから聞かされたアーサー(このフォードという友人も実は地球人ではなくて宇宙人だったんです)。

そしてその数分後、地球を破壊されてしまい、ふたりは地球を破壊したヴォゴン人の宇宙船をヒッチハイクして、世にもおバカな宇宙の旅に出発する、というストーリーです。

 

 

 

アクの強いキャラクターたち

このフォード・プリーフェクトというのは宇宙で大人気のヒッチハイカーのためのガイドブック『銀河ヒッチハイクガイド』の特派員をしてるんですね。これが作品そのもののタイトルにもなっているわけです。この本を片手に二人は様々な個性的な人物に出会いながら旅をしていくというお話なんですが、他の人物たちも非常に魅力的ですね。

主人公のアーサーデントからして、地球が大爆発するという事態に遭遇しながら宇宙船の中で「紅茶が飲みたい紅茶が飲みたい」って探し回ってコンピューターのメモリをそれに使わせてしまい、ミサイルの回避ができなくなってしまう――というエピソードがあります。

この作品の中でもっとも強烈なキャラクターといえばゼイフォード・ビーブルブロックスですね。

このゼイフォード・ビーブルブロックスとは、なんと銀河帝国の大統領(帝国なのにどうして大統領がいると、というツッコミに対しては、作品内に答えがあります)なんですけれども、実はその大統領という職に就いたのはもともと政治家であったとか支配欲が旺盛であったとかそういうわけではなくて、大統領臨席のある式典に使われる「特殊な宇宙船を盗み出すこと」が目的だったんですね。

そして彼は頭が二つある宇宙人という設定なんです。非常に皮肉家でわがままで周囲を振り回しながら、だいたい第1作~2作は彼を中心にストーリーが進んでいく感じです。

 

くつろいで読める、フィッシュ&チップスのような小説!

実はこの小説は、まとまったストーリーがあまりない、というのが特徴でして、最初から最後までひとつのストーリーを追いかけていくわけではありません。細かいエピソードがいくつもいくつも入っている感じです。

だからまあ例えば、「だいたいの設定を知った上で、本のど真ん中からページを開いて読んでもそこそこ楽しめる」というのが特徴ですね。

肩の凝らない SF を読みたいという方、あるいはSF好きなんだけれども、どうももう既存の作品を読み飽きちゃった、という方にはおすすめです。

イギリスのユーモアとか、イギリスの映画、ドラマが好きという人も楽しめる作品ですので、チェックしてみてくださいね。

トム・ヤムクンでした。

 

トム・ヤムクン

ライフハックと手帳を駆使して作家を目指している人。得意分野は手帳と日本史。Twitterアカウント:@tomyumkung01 ※このブログはAmazon.co.jpアソシエイトに参加しています。