徹底したゆえの失敗と徹底しなかったゆえの失敗
計画がうまくいかなかったとき
みなさんこんばんは、トム・ヤムクンです。今日は「計画の失敗」というテーマを扱っていきたいと思います。
どんな組織でも失敗はある
どんな組織でも何らかの計画に従って仕事を進め、またそれが失敗してしまうということはありますよね。失敗するのは仕方ないですが、そのフォローの仕方に実はその組織の良し悪しが出るのです。今日はこういった件についてお話していきたいと思います。
組織の真価は失敗したときに決まる
「失敗のフォローで組織や人の良し悪しが決まる」というのはよく言われることではありますが、ここで言いたいのは「次はもっと頑張る」とか「心を入れ替える」とかいう精神論的な話ではありません。ここでは失敗した時の悪い対応について詳しく見ていきたいと思います。
失敗としたときのよい対応と悪い対応
失敗した時の悪い対応その1
→システムや組織そのものの欠陥に目を向けず担当者を悪者にして終わりにする
例えばコンビニエンスストアで、ある商品の売り上げが伸びなかった時のことを考えてみましょう。
「商品そのものが人気がないのに店長のせいにして終わり」というパターンがあり得ますよね。
しかし、一切売上が立たなかった時に、「店長の売り方が悪い」という話に終始して商品そのものは改善しない――というよくあるお話です。
日本企業にはまさしくありがちですが、どんなよい店長でも売れない商品はそれそのものを変える必要がありますよね。
失敗した時の悪い対応その2
→失敗したからといってコロコロと方針を変える
失敗の原因を探り、それを見定めて次は別のやり方でアプローチしてみるというのは、失敗のフォローの手段としてはまさしく常套的です。
しかしここに落とし穴があります。それは、「今、変えようとしているその方針が本当に失敗の原因だったのか」あるいは「その方針そのものはすばらしいものであっても、その方針を徹底しなかったがゆえに起きた失敗だったのではないか」という視点が抜け落ちてしまいがちということです。
これに関して詳しく見ていきましょう
「とにかく次は方針を変えよう」という思考停止
失敗には悪い方針を徹底したが故に失敗したパターンと良い方針を徹底しなかったら家に失敗したパターンの2種類があります。
変えるべき方針の例
「悪い方針を徹底したがゆえの失敗」というのは、例えば「成果を上げるために不眠不休でみんな頑張ろう」という方針を掲げたものの、「体力が尽きて成果が上がらなかった」というパターンです。
こちらの方がわかりやすくみんなにも納得されやすい失敗ですよね。
この場合に「その方針を変える」というのは確かに間違ってはいないでしょう。
しかし逆のパターンもあるということに目を向けなくてはなりません。
それは「良い方針だったのにその方針を徹底しなかったがゆえに失敗した」ということです。
変えるべきではない方針の例
「このプロジェクトは長期戦になるから逆に残業しないで体力温存してやろう」という方針を立てたとして、「実は皆が家でこっそり作業をしていて体力が持たなかった」というパターンだったとしたらどうでしょう?
これは「方針を徹底しなかったがゆえに失敗したパターン」です。
にもかからず反省会において、「今回は『ちゃんと休む』という方針を立てて失敗した」→「やっぱり不眠不休で頑張るべきだよね」ということになって次回は真逆の方針にされるとしたら、目も当てられないありさまになることは請け合いですよね。
思考停止に陥らないで!
これは、「悪かったから、目立つものを変えよう」という教条主義と思考停止でしかありません。
その陰で、「本当はちょっと家で作業していたから体力がもたなかった」という本当の原因については振り返らないのです。
ですので次回の失敗の確率はさらに高まるというわけです。
このように、失敗した場合には方針を徹底したからそうなったのか、あるいは徹底しなかったからそうなったのかというのを詳しく分析すべきでしょう。
くれぐれも「その近くで目立っていた人が悪い」とか、みんなが注目していた「テーマが悪かった」、といったような短絡的な思考には陥らないようにしてください。
トム・ヤムクンでした。